新車で車を買う人の約半数が利用している残クレですが、契約終了を待たずに途中で売ることができます。
ただし普通のローンと違う点がいくつかあるため、そのまま売却するのが難しいのがデメリットです。
この記事では残クレ契約の車を途中で売る際に気をつけること、追加費用を負担しないで済む方法などをご紹介しています。
残クレで買った車は途中で売ることができる

残クレで買った車でも売却することは可能です。
ただし車検証の所有者がディーラーになっているケースがほとんどなので、先に所有権解除という作業を行わないといけないのが普通の車売却と違うところです。

それはディーラーローンで買った車にも言えることだモン
所有権がディーラーになっている車は、その車をどうするかの最終判断はディーラーがすることになります。
まずは自分で車を買取って、完全に自分の車にする必要があるのでその点だけ注意しましょう。
残クレの車でもディーラー以外で売ることができる
ちなみに所有権がディーラーになっているからといって、ディーラーでしか売れないというのは間違いです。
ディーラーにはそこまで指定する権限はないので、どこで売るのかは自分で決められます。
この後詳しく解説しますが、結局は残クレの残債以上で売れればいいだけなので、とにかく車を高く買い取ってくれるところに売ればいいってだけなのです。
車をカンタンに高く売るなら、1度の申し込みで最大比較数20社のMOTA車買取がおすすめです。



電話は査定額が高い上位3社からしか来ないのも嬉しいモン
残クレ契約中の車を売るべきかどうかの判断基準


残クレの車を売って損をしないかどうかは、残債(残金)の額が重要です。
- 売却額≧残クレの残金→全く問題なく売れる
- 売却額<残クレの残金→差額を補填する必要がある
残クレの車を売却する上で大事なのは、今残金がどれくらいあって、車がいくらで売れるのかという点です。
残金が100万円で売却額が120万円なら、売ることで現金が20万円戻ってきます。
逆に残金100万円の売却額80万円なら、20万円の支払いが発生します。



これは一般的なローンと同じだモン
残クレの車を売る際に厄介なのが、この残金をどこで補填するかという点です。
ローンで買った車は所有権が自分であれば、先に車を売って手に入ったお金に自己資金を追加して、ローン会社に一括返済すればOKです。
しかし残クレの車は所有権がディーラーなので、先に自己資金で全額支払ってから車を売却する必要があります。



つまり残金が100万円なら先に100万円支払う必要があるんだモン
一旦自己資金で残金を払っても、売却額が残金を下回っていればその分損をします。
そのため、残クレの車を売却するときには残金の確認が必須ということになるのです。
残クレ途中の車を売る方法


1.残債がいくらなのか確認する
前章でも解説した通り、残クレの車は売却額が残債(残金)を上回るかどうかが大事なポイントです。
- 売却額≧残クレの残金→全く問題なく売れる
- 売却額<残クレの残金→差額を補填する必要がある
残債を調べる方法は、ディーラーに聞くのが一番手っ取り早いですが、担当に車を売ることを知られたくない場合もあるかと思います。
そういう場合は残クレを契約しているローン会社に確認すればOKです。
残クレはディーラーで契約しますが、そのサービスを提供しているのはローン会社です。
これらのローン会社に問い合わせをすれば、残債がいくら残っているのか教えてくれます。
また契約開始時に返済計画表が送られてきているはずなので、その手紙を確認するのでもOKです。
2.査定を受けて追加払いの有無を確認する
残債がわかれば自ずと目指すべき売却額がわかります。
その状態で査定を受けて、追加払いが発生するかどうかを確認しましょう。



ちなみに査定はディーラー以外で受けてもOKだモン
なるべくなら高く売れるところがいいので、ディーラーよりは一般的な買取店で査定してもらうことが望ましいです。
しかしその際に残クレの残債額は伝えない方が良いでしょう。
残債額より全然高く売れるケースでも「その額さえ超えればOK」と考える査定員が、残債額をギリギリ超えるような額を提示してくる可能性があります。
3.残債を清算して所有権解除をする
残クレは先にディーラーに対して残債を支払い、完全に買い取って自分の車にする必要があります。
残債を全て清算すると、所有権解除に必要な書類が送られてきます。


これらの書類を持って最寄りの運輸支局へ出向き、所有権解除を行う必要があります。
所有権解除とは名義をディーラーから自分にする名義変更のことですが、使用者や使用場所が変わらなければ車庫証明は再度取得する必要はありません。
ディーラーに所有権解除を依頼することもできますが、費用が2万円ほどかかるので自分でやったほうが安上がりです。
4.車を普通に売却する
所有権解除さえ終わってしまえば、あとは自分の車を売るように売却すればOKです。
ディーラーで下取りするのもOKですし、高く買い取ってくれる業者に売却するのもOKです。
すでに残債清算は終わっているので、売却金額は全額自分のものです。
せっかくなら高く買い取ってくれる業者に売ったほうが得なので、ディーラー下取りよりも平均30万円高く売れると言われているMOTA車買取などを利用すると良いでしょう。
残クレ契約中の車を買取ってもらう際の注意点
残クレ契約中の車を売る際には、下記3つに注意しましょう。
1.先に一括返済する必要がある


残クレの車を途中で売る際には、残価と言われるローン残り分を先に一括返済する必要があります。
残価と呼ばれるローンから据え置かれている金額と、返済中ならその残金をあわせて支払う必要があります。
数百万単位の額を一括返済する必要があるので、まとまった現金が必要です。
残価について詳しく知りたい人は「残価の決め方」をご覧ください。
2.所有権解除を自分で行う必要がある
一括返済後に所有者をディーラーから自分にする「所有権解除」という手続きは、基本的に自分で行う必要があります。
平日の日中に最寄りの運輸支局に出向くことになるため、スケジュールの調整が必要です。
またローン会社から送られてくる所有権解除に必要な書類は、有効期限が到着から3ヶ月に設定されている点も注意が必要です。



うっかり失効なんてこともあるモン
3.売却額によっては自己負担が発生する


売却額が残債分を下回った時、結果的に自己負担が発生します。
と言ってもこれはどのローンにも言えることなので残クレに限った話ではありません。
ただ、残クレは先にディーラーに一括返済する必要があるので、売却額で全額回収できないと多額の出費が発生するので注意しましょう。



車をなるべく高く売ることが大事だモン
売却金でローンが完済できないときの対処法
売却金でローンが完済できないときの対処法は「他社でも査定を受けてみる」「ディーラーに相談する」「そのまま乗り続ける」の3つです。
1.他社でも査定を受けてみる


車の査定価格は買取店によって数十万単位で異なります。
これは買取店によって抱えている事情が違うからで、詳しくは「買取価格の決め方を車屋が解説」で仕組みをご紹介しています。
そのため売却額が残クレの一括返済額を下回っている場合は、他社でも査定を受けてみることをおすすめします。
自社のお客様の話なのですが、残価設定型ローンで買ったレンジローバーイヴォークを売ろうとして、40万円ほど自己負担が発生しそうになりました。
しかし輸入車に強い他社で査定を受け直したところ、査定額が100万円くらい変わって自己負担0になったというケースがありました。



これは極端なケースだモン
2.ディーラーに相談する
具体的な解決策が見つからないという人は、買ったディーラーに相談してみるというのも一つの手です。
ディーラーも残クレ途中で売っているお客さんをたくさん知っているので、状況を考慮した上で適切なアドバイスをくれます。
特に残クレ途中で車を売りたい理由が買い替えであれば、下取り額アップなどの提案をしてくれるかもしれません。
3.そのまま乗り続ける
残クレは契約終了時に追加払いなしで契約終了できるように料金設計されています。



そのため、残クレ終了まで乗り続けるという方法もあるモン
大体3〜5年で契約終了になるので、もう少し待てば終わるというタイミングであれば、無理に途中で売る必要もないでしょう。
残クレの車売却で査定額を引き上げる4つのテクニック
残クレの車売却で査定額を引き上げるテクニックは「車が高く売れる時期に売る」「売る気があることをしっかり伝える」「事前に愛車の相場を調べておく」「相見積もりを取って結果を比較する」の4つです。
1.車が高く売れる時期に売る


車は毎年1〜2月、7〜8月に高く売れると言われています。
中古車販売の需要期は3月と9月で、買取店はその時に売る車を大量に仕入れます。



そのため需要期のちょっと前が高く売れる時期なんだモン
この時期に査定を受けると数十万円の差が生まれるケースもあるので、少しでも高く売りたいときには時期に気をつけましょう。
詳しくは、以下の記事で解説しています。


2.売る気があることをしっかり伝える
買取店の限界価格を知りたいなら、金額によっては売る気があることをしっかりアピールしましょう。
ゲームやDVDは買取価格が公開されていますが、車の買取価格は基本的に公開されていません。
走行距離や車の状態によって金額が変わるからというのは事実なのですが、車買取業界は常にスパイが潜伏しています。
うっかり価格をオープンにしたら、他社のスパイがその価格をベースに「うちはもっと高いですよ!」と営業を始めてしまいます。



こうした事情があり、本気の価格は本気のお客さんにしか伝えないモン
残クレの車を少しでも高く売りたいなら、売却する意思はハッキリ伝えましょう。
その上で希望金額に満たなかったら普通に断ればいいだけです。
3.事前に愛車の相場を調べておく
まずは愛車がいくらで売れるのか、ネットのサービスで調べておくことは大事です。
というのも、いきなり査定に持っていったら提示された価格が高いのか安いのかわかりません。
一括査定は業者同士が談合している可能性もあるので、ベースとなる価格は公平中立な立場から提示されたものを使用するべきです。
ネットで相場を調べるサービスは、複数併用することでかなり精度の高い価格が算出できます。
個人情報を入れなくても相場を調べられる方法は「【車屋解説】車の査定だけするのはダメ?個人情報なしで使えるネット査定教えます」の記事で詳しく紹介しています。
4.相見積もりを取って結果を比較する


いざ査定!となったときには最低3社の見積もりは取りましょう。
買取店は競わせることで価格がつり上がっていくので、3社で競わせて最高価格を狙うのがベストです。
なぜ3社かというと、実は5社や10社比較してもそんなに結果は変わらないのです。
以前私が実験のために、1台の車を7社で見積もりしてもらったことがあるのですが、せいぜい2〜3万円の誤差しかありませんでした。
それなのに7社で査定を受けるとなると、その都度申し込みをして営業マンと面倒な交渉をして、かなり疲れました。
相見積もりのやり方は「高く売るなら車売却時の相見積もりは必須!車買取の事情をクルマ屋が暴露します」で詳しくご紹介しているので参考にしてください。
さらに、相見積もりを1日でサクッと終わらせるなら、車一括査定がおすすめです。
車一括査定とは車が高く売れるサービスのこと
車を高く売りたいときに、手間なく相見積もりが取れるのが車一括査定です。


- 自分で買取相場を調べる
- 時間を見つけて買取店まで査定に出向く
- その結果を別の買取店に持っていき再び査定を受ける
- これを最低3回は繰り返す



最低でも1週間はかかるモン
この面倒な相見積もりですが、車一括査定を使えばたった1度の申し込みで複数社に査定の依頼ができてしまいます。
しかも自宅に出張査定に来てくれるので、複数社を同時刻に自宅に呼べば相見積もりが1度で済みます。
これだけ便利なサービスが無料で使えるので全員におすすめのサービスと言いたいところですが、絶望的に電話の数が多いという致命的なデメリットがあります。
おすすめは電話ラッシュがないMOTA車買取


たくさんある車一括査定の中でも、電話ラッシュがないMOTA車買取はおすすめできます。
はじめに売りたい車の情報を登録すれば、その情報を基に全国の買取店が査定を行い、最短3時間後にはWeb上で査定結果が確認できるのです。
最大20社が競い合うので高額査定が期待できますし、その中でも上位3社だけしかあなたに連絡ができません。


車一括査定がめんどくさい理由は、「査定額は電話じゃ教えられないけどとにかく車を見せてほしい」という業者からのしつこい電話です。
MOTA車買取はこうした理不尽が一切ないサービスなので、利用者寄りの便利なサービスなのです。
当サイトがMOTA車買取利用者に実施したアンケートによると、全体の69%がサービスに満足したという結果になりました。


買取業者選びも約60%の人が「簡単だった」と答えており、電話の数も54%の人が「適正」と答えています。



もちろん肝心の査定価格についても、合計71%の人が肯定的な評価だったモン
これだけ便利なサービスなのに、下取りより平均30.3万円も査定額がアップしたというデータもあり、MOTA車買取は車一括査定のデメリットを抑えながら高額査定が期待できる画期的なサービスと言えます。
極限まで車の査定額を引き上げたい人は、従来の車一括査定を使って複数社と直接やり取りする方法がおすすめです。
カーセンサーならMOTAより10社多い「最大30社」に査定依頼が可能です。
電話の数が多いデメリットは、普段使わないスマホを持っている人なら簡単に解決できます。
車を売る機会なんて数年に1度くらいですし、それなら電話の多さも我慢できるという人は、カーセンサーを使って各社をバチバチに競わせてみるのも手かもしれません。
残クレ契約って査定的にマイナスになる?


残クレで買った車だから査定額が下がるということはありません。
買取店は購入方法なんて気にしておらず、その車の状態しか見ていません。
残クレ契約が原因で査定額が下がってしまうんだとしたら、所有権解除に手間取って売却が遅れることによる減額といったところでしょう。
売る前に書類を用意しておかないとこういう事態が起きるので、すぐに手放せるように書類の準備などは終わらせておきましょう。
弊社では残クレの車を査定に持ち込まれた場合、残債以上の査定が出せるかどうかをまず見ます。
もし出せるなら書類を用意してもらってササッと所有権解除をして買い取りますが、そうでない場合は残債の精算が終わってから再度査定に来てもらうようお願いします。
そうなると、次の査定時には前回と同じ金額が出せないことが多いです。



車の価値は一日ごとに下がっているモン
車を売る以外で残クレを終わらせる3つの方法
どうしても残クレを終わらせたい場合は、下記3つの方法のいずれかを実践しましょう。
1.ディーラーに返却する(早期返却)
残クレはディーラーに車を返却したら契約が終わります。
ただし契約途中での返却は再査定となり、その時点での車の価値でディーラーが買い取るという形になります。



つまり買取業者に売るのと同じだモン
残債より査定額が上回れば持ち出しなしで早期返却できますが、もし下回ればその分を現金で支払う必要があります。
この支払いにローンは利用できないので、現金を用意するか車両は返却したのにローンを続けるかのどちらかになります。
2.自己資金で一括返済する
経済的に余裕があるなら、手持ちの現金で残債をすべて精算してしまうこともできます。
そうすれば車は完全に自分のものになるので、そのまま乗り続けてもいいし売ってしまってもOKです。



カーリースと違い、残クレは途中で車を買い取ることができるのがメリットだモン
利息も支払う必要がなくなるので、結果的に一番オトクな方法と言えます。
実は残クレの利息は残価分にもかかっており、意外と利息が高くなりがちです。
詳しくは残クレのデメリット「金利は車両購入費用全てにかかる」をご覧ください。
3.他のローンに組み替える
残クレは残債を支払えばいつでも終了できるので、低金利なローンに借り換えることもできます。
例えば残クレが年3.5%の金利だったとして、銀行が年2%の金利なら借り換えた方が安くなります。
その上銀行系のマイカーローンなら所有者を自分にできるので、いつでも売却が自由になります。
ただしディーラーでマイカーローンを契約して残クレを終了する方法はおすすめできません。
ディーラーのローンは残クレより金利が高いので、もし借り換えるなら銀行系のローンにすることをおすすめします。
まとめ
- 残クレで買った車でもディーラー以外で売却することができる
- 途中で売る場合は先に残債を清算して名義を自分にする必要がある
- 残債が売却額を下回ったら追加費用が発生する
- 追加費用はローン払いができないので全額現金で支払う必要がある
- 車を高く売れば追加費用を負担しなくて済む可能性があるので売却先はしっかり選ぶべき
よくある質問
残クレで契約した車は売れる?
残クレで契約した車でも売れます。ただし残クレ契約の車は所有者がディーラーまたはローン会社になっているので、まずは所有権解除を行う必要があります。所有権解除をするためにはローンの残りを一括返済する必要があるので、「ローンを返して所有権解除してから売れる」というのが正しい言い方になります。
残クレの中途解約のデメリットは?
残債が売却額を下回ったら現金で補填する必要があることです。残クレはカーローンの一種なので、中途解約する際にはその時点で残っているローンを清算しなければいけません。もしローンの残債よりも車両の売却額が上回れば問題ありませんが、下回った場合は多額の支払いをしなければいけないのがデメリットです。
残クレの車は他社に乗り換えることができる?
可能です。ただし残クレの車は所有者がディーラーまたはローン会社になっているので、乗り換え先のディーラーが勝手に買い取ることができません。一旦残クレ契約を解消してから他社の車を新規購入することになります。
コメント